例年になく暖かい師走を迎え、隣接する茅ケ崎公園の木々は忙しく葉を落としています。
ブランシエール港北2の隣には、東京横浜独逸学園(以下、ドイツ学園)があるのをご存じでしょうか。
ドイツ学園は、幼稚園から高校生までのお子さんが通われているインターナショナルスクールです。
先日、ドイツ学園の皆様より「朗読会」にお招きいただき、ケアフロア(介護型居室)のご入居者とスタッフで参加してきました。
当日は、学生さんたちが“港北2”までお迎えに来て下さり、車いすを押しながら校内を案内してくださいました。
お一人のご入居者が「Guten Morgern.(グーテン モルゲン)」とドイツ語で挨拶をされると、学生さんたちも「よくご存じですね!」とにこやかに返してくださいました。
校内には子どもたちの作品も飾られ、教室の子どもたちの元気な様子を、ご入居者の方々も興味津々に眺められていました。
窓の向こうには、“港北2”の建物が見えます。
素敵な赤いフロアに、掛け軸風に絵が描かれた作品等が飾られていました。
まずは学園長から歓迎のご挨拶をいただき、ドイツ語で小説の朗読をしていただきました。
ご入居者の皆様、とても真剣な表情でお聴きになっていました。
美味しそうなケーキやプレッツェルでおもてなしを頂き、ほっと一息。
その後は、外国語で日本語を専攻されている4名の学生の方による、日本語での朗読をお聴きしました。
読んでいただいたのは、ドイツの作家 ミヒャエル・エンデの『モモ』という作品です。
1974年にドイツで児童文学賞を受賞した小説で、日本は発行部数がドイツに次いで2位。内容は、「時間どろぼうと、盗まれた時間を人間に取り返してくれた女の子モモのふしぎな物語」...。
日本語特有の言い回しや発音を、とても丁寧に朗読される姿に、ご入居者も関心を持って聴いておられました。
朗読のあとは、ドイツ語の簡単なフレーズを習ったり、ご入居者から生徒さんへ質問を投げかけたりする場面も。
ドイツ語と日本語どちらが得意?
日本で行ったことある場所はどんなところ?
将来はドイツ、日本、どちらで働くの?など。
ご入居者の皆様とても素敵な笑顔で、未来ある学生さんたちとの交流を楽しまれていました。
小説『モモ』のテーマは、“時間”、“耳を傾けることの大切さ”、そして“人生を楽しみ、思い出を作ることの大切さ”と言われています。
まるで、今回の言語や世代を超えた交流のことのようですね。
今回の出会いが、ご入居者の皆様にも、ドイツ学園の学生さんたちにとっても貴重な思い出となりますように。
それでは、教えていただいたドイツ語でご挨拶を。
Dakne schön(ダンケシュン)ありがとう。
Tschūss(チュース)さようなら。