2023年に開設予定の「ブランシエール蔵前」「ブランシエール目黒」。 2つの高齢者住宅で目指す将来像について、事業主である日本郵政不動産の常務取締役・細井様と当社代表取締役社長の野本が、 お客様ご案内サロンを構える「ホテル雅叙園東京」にて対談を行いました。

(写真左から)
㈱長谷工シニアウェルデザイン 代表取締役社長 野本 久
日本郵政不動産㈱ 常務取締役 細井 成明様
社会と地域の発展に貢献できる土地活用
- 野本
- 今回、日本郵政不動産様の建物をお借りする形で、蔵前と目黒に新たな高齢者住宅を立ち上げる運びとなりました。当社としても非常にシンボリックな住宅となる予定で、こうした機会をいただけたことに感謝申し上げます。
- 細井
- ぜひ、よろしくお願いします。日本郵政グループは、民営化時に継承した資産を中心として、各地に不動産を所有しています。これらの有効活用を図ることは、安定経営を行っていく上での大きな基盤になります。一方で、それは単なる収益源だけではなく、 社会と地域の発展にも貢献できる活用法を目指したいと考えています。
- 野本
- そういった観点に立つと、高齢者住宅も有効な選択肢になるということでしょうか?
- 細井
- はい。かつては複数世代の家族・親族が同じ家に住み、その中で年齢を重ねていくことが一般的でした。 しかし核家族化が進むにつれて、そのようなセカンドステージを過ごす方は少なくなってきています。こうした変化の中で、人生の円熟期を「ここで過ごしたい」と思える良質な高齢者住宅の充実は社会問題と言っても過言ではありません。その解決に寄与したいと考えています。
- 野本
- まったく同感です。ちなみに、細井様にとっての「良質な高齢者住宅」とはどのようなものでしょうか?
- 細井
- そうですね、快適な環境で必要かつ十分なサポートを受けられ、共に暮らす方々やスタッフ、さらには周辺地域も含むコミュニティの中で充実した時間を過ごすことができる──そんな場所でしょうか。これから健康寿命がますます伸びていくことを踏まえると、ご入居者の暮らしが住宅内だけで完結してしまうものよりも、社会に開かれていることが望ましいですね。
- 野本
- 時代とともに社会のあり方は変化していきますが、人と人との〝つながり〟が人生を豊かにすることは変わりませんからね。当社の高齢者住宅では、早いうちから移り住んで、さまざまな人との関係を充実させていく方が多くいらっしゃいます。
- 細井
- 理想的なセカンドステージですね。長谷工シニアウェルデザインさんは、長年にわたって自立型高齢者住宅に取り組んでこられて、多くの知見を蓄積してこられたはず。その実績に期待して、今回、「蔵前」と「目黒」という2つのプロジェクトで声をかけさせていただきました。
- 野本
- ありがとうございます。
蔵前の魅力、目黒の魅力


- 野本
- 当社は、現在の社名になる以前から地域のコミュニティとご入居者がつながる高齢者住宅づくりに取り組んできました。当社の看板ブランド「ブランシエール」でもその方針は継承し、地域や社会に開かれた環境でお一人おひとりが自分らしく羽ばたいていけるような住宅とサービスの提供を目指しています。
- 細井
- まさに、我々が今回実現したい高齢者住宅のイメージにぴったりですね。特に「蔵前」は当社グループの拠点とオフィス棟、一般向け賃貸物件も入る大規模複合施設。ご入居者の皆様がさまざまな世代と交流し、アクティブなセカンドステージを送れるような場所にしたいと考えています。
- 野本
- 植栽や菜園、広々とした芝生のスペースを配した9階の屋上庭園が象徴的ですよね。ご入居者やオフィスワーカーが共にくつろぎの時を過ごし、接点となる出会いの場。蔵前という土地も江戸文化が息づく伝統の街であるだけでなく、若者の人気を集める「東京のブルックリン」という顔を持っており、刺激的なセカンドステージを過ごせる場所だと思います。
- 細井
- 当社では「蔵前」のような高層型物件での高齢者住宅展開は初となります。入居された方には、17階のスカイラウンジから望める隅田川や東京スカイツリー®︎などの展望も楽しんでいただけると思います。
- 野本
- 私は先日、建設が進む「蔵前」の工事現場に行って居室の入るフロアも見てきたのですが、本当に見事な眺めでした。皆さんにご覧いただく日が楽しみですね。
- 細井
- 一方の「目黒」はいかがでしょうか?高齢者住宅のプロの目から見て、この立地はどう映りますか。
- 野本
- 非常に魅力的ですよ。都心の利便性と豊かな自然に恵まれ、ここ「ホテル雅叙園東京」のように歴史的な名建築も数多く、心豊かに生活できる土地だと思います。にもかかわらず、まとまった敷地を確保するのが難しいせいか、これまで自立型高齢者住宅がありませんでしたので心動かされる人は少なくないはず。計画発表後の問い合わせも多数いただき、需要の大きさを実感しているところです。
- 細井
- それは喜ばしい。周囲に視界を遮る建物がないため、こちらも非常に見晴らしの良い物件になりそうですね。ここでは壁面緑化やバルコニープランターを取り入れることで、緑の多い周辺環境とも調和する建物を目指しました。
- 野本
- 「蔵前」「目黒」とも自立型から介護型への住みかえが可能ですし、長年にわたって安心して暮らせる住まいとして、将来の選択肢に加えていただければと思います。年齢とともに、室内で過ごす時間はより重要なものになっていく。触れ合える植物、窓から見える景色、差し込むむ日差しで季節の移り変わりや時間の流れを感じていただくことは、非常に重要だと思っています。
- 細井
- それを実感したのが、ご提案いただいたベランダの手すりのアイデア。すべてコンクリート造りにするのではなく、一部にガラス手すりを用いることで、より開放的で日当たりの良い居室を実現できる秀逸なものでした。さすがはマンションに強い長谷工グループですね。
- 野本
- ありがとうございます。

「ブランシエール蔵前」の入居する大型複合施設「蔵前JPテラス」は、蔵前橋通りに面した約1.4万㎡の広大な敷地を活かして建設。下町の風情・文化と新しい潮流が交わる舞台となる
新時代に求められるサービスとは
- 野本
- 2022年10月にブランド名称の変更を発表して、当社の有料老人ホームは「ブランシエール」になったのですが、「蔵前」と「目黒」は最初からその名を冠してオープンします。「BRANCH'E(先端を行く)」の名に恥じない、新時代のサービスを提供していきたいと考えています。
- 細井
- それは、具体的にはどういったサービスなのでしょうか。
- 野本
- 当社では、いくつになっても自分らしく暮らせることを応援するために3つのテーマ「心身の健康」「自分時間」「ときめき」を軸にサービスを提供していきます。例えば、「蔵前」で導入予定の健康プログラムでは、測定・分析・サービスメニューのご提案でサイクルを回しながら、ご入居者自身が望む健康状態を実現するお手伝いを行います。他にも、エクササイズや芸術体験といった外部パートナーと提携した上質な企画や、ここ「ホテル雅叙園東京」のシェフによるお食事とワインのマリアージュ講座も開講予定です。
- 細井
- なるほど、それは楽しそうだ。時代とともに高齢者住宅に入居される方のニーズも変わっていくわけで、それに向き合っていく姿勢は運営する側としては必須になりますよね。
- 野本
- おっしゃる通りです。
- 細井
- 30年来の高齢者住宅への取り組みの中でシニアに対する理解とサービススキルを積み重ね、なおかつ変化を恐れない姿勢を併せ持っているところが長谷工シニアウェルデザインさんの強みだと思っています。また先ほども少し触れましたが、ターゲットに合わせて最適な集合住宅を作り上げる長谷工グループのノウハウも存分に活かすことができる。これらが一体となって、ハードとソフトの両面から「心地よい住まい」を作り上げ、維持していただけるパートナーと組めるのは、事業主として非常に心強いです。ぜひ、たくさんの方のセカンドステージを彩り、愛される高齢者住宅を作り上げていきましょう。
- 野本
- そうですね。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。