ホームでは、「介護」や「老い」に対するご家族の想いも受け止めています。今回は、「ブランシエールケア常盤台」にお住まいの髙橋サトさん(90歳)のご子息・正幸さん(66歳)に、ご入居までの経緯と、今後ホームに期待することを伺ってみました。
突然訪れた、在宅介護
長年、ホームのある東京都板橋区に住み、保健師や家庭福祉員の仕事をしながらPTA会長としても地域で活躍されてきたサトさん。ご自宅で一人暮らしをしていたときに脳内出血で倒れ、介護が必要な状態に。急遽、息子の正幸さん夫妻がサトさんの介護を担うようになりましたが、徐々に在宅介護の限界を感じるようになりました。正幸さんは、「着替えひとつとっても、私が一生懸命やればやるほど、母を焦らせてしまうんですよね。お互いイライラして次第に笑顔が無くなっていって。これでは良くないと、施設を探し始めました」と当時を振り返ります。
入居の決め手は、ホームのお食事
「常盤台」に入居を決めたのは、サトさんにとって馴染みのある地域だったこと、ホームは高級感がありつつ家庭的であたたかな雰囲気であったこと、そして決め手は食事でした。「母はもともと食にうるさいのですが、私と妻でホームの食事を実際に食べてみて〝母の口に合う〟と思いましたね」。
しかし、入居して数年、サトさんは身体の状態が低下し、口から食事を召し上がることが難しい状態に。医師からは、〝胃ろうの手術をするか、しないか〟という厳しい選択を迫られました。「母は話すことは難しいけれど、意思表示はできていましたので、かなり葛藤はありましたが、胃ろうの判断をしました。ホームは医療的な面も対応してくれるので、そういう意味でもありがたかったですね」。
現在のサトさんは、3食の食事を口から食べることは難しいですが、アイスクリームなど可能な範囲で食を楽しめるようホームで工夫をしています。
入居後も、人や社会とのつながりを
今後のサトさんの生活について正幸さんは、「できる限り社会とのつながりを続けてほしい」と話します。「施設に入居後は限られた人間関係での生活になりがちですが、例えばリハビリの先生や地域の方など、スタッフや家族以外の人との面会があるときは母もシャキっとするんですよ。長年社会や地域と深く関わって生きてきた人なので、そういった生活を続けてほしい。家族としてもそういう環境づくりをしていきたいし、ホームにも引き続きお願いしたいですね」。