2017年4月の開設とともに「ブランシエール神戸北野」の介護居室に入居された角丸八重子さん(92歳)。ご入居から5年、今回は娘の馬場清子さん(67歳)に、ご入居の経緯とこれまでの暮らしを振り返っていただきました。
住み慣れた街のホーム、開設と当時に入居へ
母が暮らしていた自宅は「神戸北野」の近くの三宮町で印刷と文具の店を営んでおりました。父が亡くなった後も、母は店頭に立ち続けておりましたが、歳を重ねるにつれ4階にある自宅への階段の上り下りやガスの扱いなどが「危ないなぁ」と心配な面も出てくるように。私含め娘3人は家を出ているので、いつもそばにいられる訳ではない。どうしたものか…と悩んでおりました。
ちょうどその頃、神戸YMCA三宮会館の建て替えと共に、高齢者住宅ができるという話を耳にしました。私は長年YMCAの会員で、催し物に参加したり、子どもたちを連れてスキーに行ったりすることも多く、そんな縁からさっそく見学させていただくことに。
「神戸北野」は私含め家族の自宅からアクセスが良いこと、また、建設地には桜の大木があって「春には素晴らしい眺めになるはず」と胸が高鳴りました。そして5年前の4月、ホームの開設と同時に母は入居することとなったのです。
入居した直後で印象的だったのは、孫を連れて遊びに行ったときのこと。まだ幼稚園入園前の幼児だったので、スタッフの方が気を遣って、すぐに小さなスリッパを用意してくれました。
また、何と言っても母はホームの食事を気に入っていて、日頃から「美味しい」と口にしています。最近は噛みづらい食材も出てきたので、刻んで提供していただくなどスタッフに工夫していただきつつ、毎日の食事を楽しんでいるようです。
直接顔を合わせることのできる喜び
入居して数年でコロナ禍となりましたが、その際に良かったことは「家族の面会が可能であった」ということ。もちろん時間の制約など、感染対策は徹底されていましたが、他社の施設ですと面会は禁止になったり、リモートのみになったりすることが多かったようです。私たち世代は家族が施設に入居していることも多いものですから、そういう話をよく耳にしましたね。リモートも便利ですが高齢世代には馴染みにくい状況もあるようなので、直接のコミュニケーションに勝るものは無いと実感いたしました。
今後のリクエストとしては、野菜づくりなどの機会を提供していただけると良いなと思います。以前は介護フロアのベランダでそんな取り組みがあったようなのですが、コロナ禍などの状況もありましたので、落ち着いたらぜひ再開していただけると嬉しいですね。
また、母が入居して以来数回、私がホームで琴の演奏会をさせていただいておりました。以前は母も習っておりましたので、他のご入居者と一緒に懐かしい音色を楽しんでもらえたら、という思いがあります。今後も家族の立場として、そういった関わりを続けていきたいですね。