隆志さん 仕事をリタイアしてすぐの頃、「ブランシエール港北2」折込チラシを見て見学会に参加し、夫婦二人きり、先々のことを考えて入居を本格的に考えるようになりました。とはいえ〝今すぐ〟のつもりはなかったのもあり、3年ほど経て、入居することにしました。
夫婦それぞれの居場所
隆志さん 夫婦円満の秘訣は「つかず離れず」。それぞれ別のボランティア団体に所属し、ライフワークとしています。私は「つづき図書館ファン倶楽部」の代表を務めています。もともと現役時代は図書館司書をしていて、その延長のような感覚で活動をはじめました。横浜市は「図書館砂漠」と言われるくらい、図書館が少ないんです。私たちは移動図書として三百冊ほどの書籍をキャンピングカーに積んで、地域を回って本の楽しさを伝える活動をしています。三時間ほどの滞在時間で集った人々に本を読んでもらい、コミュニケーションの場にもなっています。
以前に区内のお寺に出向いたところ、大人と子ども合わせて五十人ほどの参加がありました。イベントとして絵本の読み聞かせなども行っているのですが、私はそういったことは苦手なのでお菓子の販売や、SNSでの集客を行っています。
秀子さん 私は緑に関わるボランティアをしています。現役時代に心を病んでしまったことがあったのですが、そのときに森に出向き癒され、すっかりのめりこみました。今は市内にある里山交流センターを拠点に、森に来る人の案内や自然観察会のお手伝いをしています。最近は緑の活動から波及して俳句にも興味をもつようになり、隣駅のカルチャーセンターにも通っています。森には季語になるような植物がたくさんあるので、新たな刺激になっています。
隆志さん このホームを選んだ理由のひとつは、住み慣れた土地でボランティア活動が継続しやすいことです。60代を過ぎて全く新しいまちに行くのはそれなりに負担。ホームの周辺は土地勘があるので、私たちの守備範囲でした。
状況に応じてゆったりと
秀子さん 私たちには子どもがいないので、入居前に自宅の処分を済ませ、大方の身辺整理は済ませていますが、次の課題はお墓のことですね。以前、会社で所有している鎌倉円覚寺の共同墓※の見学会に参加しました。富士山も見えてとても素敵なところでしたけど、かなり階段を上るので、お墓参りに来てくれる人は大変ですね! とはいえ最近はいろいろな葬送があるので、これからじっくり考えます。
隆志さん 今は夫婦それぞれにやりたいことがありますので、ホームの外での活動が生活の中心となっていますが、もう少し歳をとって外出が難しくなってきたら、ホームの中での生活を楽しみたいですね。入居者主体のサークル活動もあるようなので、私たちもいずれは小さなグループでも何かできたらなと思っています。
ホームからすぐの「茅ヶ崎公園自然生態園」にて。秀子さんがガイドをする観察会に隆志さんが参加することも
※鎌倉円覚寺の共同墓
長谷工シニアグループは、入居者のための共同墓を用意しています。「ホームに入居して将来の介護には備えたけれど、亡くなった後のことはどうすれば良いのだろう?」という声から実現しました。「誰とどこでどう住むか」に加え「どう眠るか」も自分で選ぶ時代。私たちの共同墓は、そんな時代の要請に応える選択肢のひとつです。
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出典:2019年7月1日発行「生活創造のM」135号