ウェルデザイナー
インタビュー
金子 彩香
ブランシエール日暮里 ケアスタッフ 兼 生活相談員
人と永く付き合える
仕事がしたい
小さな違和感に気づける関係性
現在所属している部署とお仕事の紹介をお願いします。
ブランシエール日暮里のリビングデザインにて、生活相談員兼ケアスタッフとして働いています。
月に4~5回ほどケアスタッフとして現場で介護業務にあたっています。それ以外は、フロントでの電話対応やご入居者の相談対応、ご家族との連絡調整等を行っております。
ご入居者の相談を伺う窓口として、部署の垣根を越えて情報を共有し連携を取ることで、必要な援助をチームで行えるように進めています。部署を問わずスタッフとはほぼ毎日やり取りをしますが、相談を持ち込んでも嫌な顔をせず温かく聞いてくれる、風通しの良い雰囲気です。
長谷工シニアウェルデザインへ入社を決めたきっかけを教えてください。
大学生の頃は塾講師のアルバイトをしており、3年間担当していた中学生の成長を間近で見るうちに、時間をかけた付き合いを通して成長を見ることが出来るという点にやりがいを感じ、「人に永く寄り添える仕事」がしたいという思いが就職活動時の軸としてありました。 福祉に興味をもったきっかけは、福祉業界も同様の軸を持っていると気付いたことです。
当初は高齢者施設ってどんな感じなんだろうとイメージが湧かなかったのですが、施設を見学した日が地域のお祭りの日で、ご入居者が楽しそうに見学している姿を拝見して、地域コミュニティと繋がりがある会社なんだと魅力的に感じました。同じ日に、ご入居者の普段とは違う小さな違和感(歩き方が違う、箸の扱い方が違う等)に早急に気づいたことで病院の受診に繋がり、大事には至らなかったというエピソードを伺いました。それはご入居者を普段からよく観察して、永く付き合っているからこそ気づくことが出来たのだと思い、このような関わり方ができる関係性って素敵だと思ったことを覚えています。
部署を越えた連携で、ご入居者の支援を考えていく
壁にぶつかったことはありますか?どのように克服したのか教えてください。
当社は自立型住宅と介護型住宅のフロアがあります。
生活に手助けが必要になった時に施設内で住み替えができる、という体制なのですが、自立型住宅にいらっしゃるご入居者の多くは最期まで今の部屋で生活したいといった思いがあったり、介護型住宅フロアではずっとベットで寝たきりになるのではといった住み替えにネガティブなイメージを持たれている方が少なからずいらっしゃいました。
思い悩んでいたときに周りのスタッフに打ち明けたところ、ご入居者に介護型住宅を知っていただくことでイメージを変えていきたいよね、という目的が生まれて、そのためにはどうする?といった話し合いの中で介護型住宅の見学会を企画しました。
実際のお部屋の雰囲気やケアスタッフとのやり取りを見ていただくことでイメージが改善し、見学されたご入居者から思ったより明るく交流もあって良い感じだと前向きな噂が拡がり「移るのも悪くないよね」と安心してくださるご入居者が増えました。
この見学会は、1人では実現出来なかったことです。問題解決のために相談することは本当に大事だと感じた出来事でした。
素直に悩みや困っていることを伝えることで、それぞれの部署の視点や立場からアドバイスをしてくれますし、力を貸してくれます。相談を持ち掛けた時に温かく聞いてくれる雰囲気があるのが、とてもありがたいです。1人で悩まないというのが、課題を克服するコツだと考えています。
この仕事の魅力を教えてください。
各部署と連携してチームでアイデアを出し合いながら、ご入居者の希望を叶えるためにどのような支援ができるか挑戦できることが魅力だと思っています。
また、多くのご入居者と長きにわたって関われるので、たくさんの考え方や価値観を知ることができるので、それが自らの成長に繋がっていることを実感出来ることも魅力だと思います。
やりたいと思ったことを実現できる環境
最も嬉しかったエピソードを教えてください。
ケアスタッフとしてご入居者と日々コミュニケーションをとる中で、多くの方が動物好きである事に気がつきました。何か動物と触れ合える機会をつくれると良いなと考え、アニマルセラピーのイベントを企画しました。
上司にアドバイスをいただきながら、ボランティア協会の皆さんにもご協力いただき、無事実現することが出来ました。参加されたご入居者は昔飼われていたペットのことを思い出して懐かしんだりと、笑顔で動物との触れ合いを楽しんでいらっしゃいました。その姿を見てとても嬉しくて、イベントを開催して良かったなと思いました。
また、当日は私がイベントに集中できるようにと、上司や周りのスタッフがシフトを調整してくださったり、企画段階から周りに助けられて実現までたどり着けたこともとても嬉しかった思い出です。
今後チャレンジしたいことはありますか。
様々な年代のご入居者がおられるので、皆さまの年代に応じたご興味のあることを盛り込んだイベントをたくさん開催していきたいと考えています。
先述しましたが、コロナ禍以降なかなか開催できていなかったので、これは積極的に行いたいと思っています。
また、これは個人的なことですが、今後相談員として様々な局面に立ち会うことが想定されるので、法律や行政との連携の取り方について学びたいと思っています。
学生の皆さんへメッセージをお願いします。
私は文学部の出身で入社した時は介護の知識も経験もありませんでしたが、「知識がないからこそ、実際にやってみて理解を深めよう」と、それをモチベーションに変えて働くことが出来ました。それは「人に永く寄り添える仕事」がしたいという想いがあったことと、そう思わせてくれる周りの環境があったからだと思います。
不慣れな部分はしっかり先輩達がサポートしてくれましたし、私のペースを尊重して指導をして頂けたので、もし不安があるなら安心してほしいと思いますし、
人生の大先輩であるご入居者とじっくり向き合うことで、様々な価値観を知って刺激的な毎日を送れることも、きっと人生の糧になるのではないかと思います。
興味が少しでもあれば挑戦して欲しいなと思います。